「メンヘラ」を新聞記事と雑誌タイトルで調べてみようと思い立った
結論。
- 新聞記事はメンヘラという語を使わない
- 雑誌はメンヘラと性的なことを絡めて記述する
- 雑誌で扱われるメンヘラは「女子」を指す
「メンヘラ」って差別というか侮辱の意味を含むとつくづく思っている。こないだ友人との会話で恋愛話になったとき、友人が「あんなメンヘラとよく付き合ったね」と言っていた。そこでのメンヘラの語句の使われ方が気になった。
それで、新聞ではメンヘラがどんな使われ方をしているんだろうとふと思い立った。
そしたら。
朝日新聞:6件
読売新聞:0件
毎日新聞:2件
少ない!とても少ない。新聞記事でメンヘラって使われてない。逆に何の話題で出てくるのか気になるレベル。オウム真理教の信者とか、堂本剛をメンヘラといっていたりした。メンヘラと言っていないなら、どのように表現しているのだろう。ついでに記事は全部平成になってから書かれたものだった。
じゃあ雑誌のタイトルは?メンヘラをどう扱う?Web OYA-bunkoで調べる。
計28件。
これも少ない。ちなみに最古(?)の記事が2011年06月21日で、記事タイトルが「被災してないのに右往左往する『震災メンヘラさん』の大迷走 被災してもないのに、精神に過剰なダメージを負った人々が続出中 ※東日本大震災の余波」(SPA!)
すごいタイトルだな。雑誌記事タイトルは露骨だ。「メンヘラ女子と後腐れなくHする方法」(2017年06月 『サーカス・マックス』)なんて、メンヘラをどう見ているんだか。ちょっと怒りたくもなる(その時点で雑誌側の思惑にはまっている)。
出現する年と記事数。
2011 | 1 |
2012 | 2 |
2013 | 3 |
2014 | 2 |
2015 | 4 |
2016 | 7 |
2017 | 5 |
2018 | 4 |
2019 | 0 |
メンヘラ、件数こそ少ないけれど毎年コンスタントに登場するワードなのかも?今年はまだ出てきてないけども
28件中9件には記事のジャンルが設定されていて、対談(or インタビュー)が3件。あと6件の記事ジャンルはグラビア。雑誌(のタイトル)においてメンヘラは性と結びつきやすい?仮説。
ものは試しと「メンヘラ」の出てくる雑誌記事タイトルをKH coderにかけてみる。記事件数が少ないから、結果をどう読むかはちょっと考えなければならない。でも正直あまり気にしていない。この文章は論文じゃないから。
まずは出現回数トップ150。「メンヘラ」は女子なのね。女性より幼きもの、女子。
「メンヘラ」の「攻略」法が雑誌にのるらしい。
「メンヘラ」は貧困?
「しか」は助詞のしか。ラップは歌うほう。食べかけの愛にラップをかけて、ではない。2016年に松任谷由実が「メンヘラ? 早く滅びておしまい!」とつぶやいたことが記事になっている(該当ツイート)
「映画」、なんの映画だろうと思ったら、2016年の『ら』でした。
もう分析がめんどくさくなってきた。誰か結果書いてくれ。
つぎ。階層的クラスター分析。わかりやすい。雑誌におけるメンヘラの扱い方には性的な表現が出てくる。ざっくり性的なこととそれ以外で分かれている。でもセッ/クスとAVは別なんだ。
雑誌においては「メンヘラ」は下流で、貧困で、そしてエ/ロやセッ/クスと結びついた書き方がされている。
共起ネットワーク分析。狂気でも凶器でもないんだって。
それぞれのカテゴリーが女子でつながっている。シンプルだけれど重要な結果な気がする。
「血液」って面白いですよね。リストカットの血液だと思うじゃないですか。これ、血液型の血液なんですよ。『生きにくい世の中の抜け道、血液型で探ります マウンティング、SNS、メンヘラ認定、婚活…』と題された雑誌の特集です(2016年8月 『an・an』)。血液型で「メンヘラ」かどうか分かるんですか?もしそうだとしたら......?
てことで、最初に書いた結論をもう一度書く。
- 新聞記事はメンヘラという語を使わない
- 雑誌はメンヘラと性的なことを絡めて記述する
- 雑誌で扱われるメンヘラは「女子」を指す
我ながらグダグダな文章を書いた。2019/08/30、つまり今日データを抽出して(ネットで調べてデータのノイズ整理して)、今日分析して、今日こうやって結果を書いた。おわり。